不動産鑑定, 収益物件

不動産の利回り 2

2010年12月15日

今回は還元利回りについて、もう一歩突っ込んだ話をしたいと思います。
還元利回りとは前回説明しましたが、
投資家が収益物件の購入を検討する場合、対象となる収益物件から得られる年額家賃を、還元利回りで除して購入価格(収益価格)を決定します。
一般によく使う還元利回りは直接還元利回り(キャップレート)と呼ばれます。
対象収益物件から得られる初年度の収益÷直接還元利回りで購入価格(収益価格)を決定します。
上記の方法を直接還元法といいます。
直接還元法は利用方法が簡便で、取引実務では汎用されます。

不動産鑑定士等が収益物件を評価する場合にはDCF法という方法も使います。
収益物件の購入を検討する投資家は一般に、購入後数年の間運用し、機を見てその収益物件を転売して転売益を稼ごうと考えているものです。
この時投資家は①数年間分の家賃(コストを除いて手元に残るキャッシュ)と②転売価格を計算している筈です。
そして①+②の金額以下で対象となる収益物件を購入するのが、投資家にとって賢い買物といえるはずです。
この①+②の金額がDCF法によって求めた購入価格(収益価格)となります。

①②を求めるに際しては時間の推移が介在するので貨幣価値等の変動による割引率、予測が外れるリスク等を考慮していかなければなりません。
DCF法は評価する者が投資家の立場に立って①②を出来るだけ現実的に精度高く予測していこうとする方法です。

直接還元法又はDCF法のいずれを使ったとしても、正しく予測されている場合、両者はかなり近い購入価格(収益価格)が計算されることになります。

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