2013年07月17日
税理士さんから、姫路のある大規模倉庫の鑑定相談です。土地は約1万㎡、倉庫は約2000㎡ありました。
「相続が発生したが、路線価評価でも6億円になり、鑑定で何とか評価を下げられないか?」という相談でした。1万㎡からの大規模倉庫なので、まず頭に浮かんだのは法令上の広大地規定を使えないかでした。この規定が使えると、路線価評価に対して大幅な評価減が簡単に行なえますので、一番手間いらずです。
但し、本件のような場合、現在の倉庫としての利用について不経済な利用であり、本来は戸建住宅団地として利用すべきである、ということが合理的に論証できないといけません。
私は早速愛車パジェロを走らせ、運転手の愛妻と共に現地に行きました。
対象地の北側は道路を挟んで戸建住宅地域、東西南の3方は大型沿道店舗又は工場に囲まれていました。地域として工場・店舗利用が衰退し、戸建住宅地域化しつつあると予測できれば、このような場合でも対象地に対して広大地規定を使える可能性がありますが、幸か不幸か、この地域の工場・店舗は元気そうでした。
それでは次に、対象地単独の要因、例えば、法地があるとか、不整形とか、間口狭小等で大きく下げることができないか色々検討しましたが、路線価評価というのは大凡時価の80%で評価されるため、路線価評価より大きく下げていく程の減価は無理そうでした。
今回は鑑定で頑張っても7億円位になり、残念ながら税理士さんが計算した、路線価評価6億より鑑定で下げていくのは難しいとお伝えしました・・・。
「先生、早速調べてくれてありがとう。よくわかりました。これで、依頼者に説明して、自信をもって申告できます。」とおっしゃって頂き、頑張った甲斐はありました。鑑定の仕事にはなりませんでしたが・・・。
横にいた愛妻はがっかり。
「まあ、こんなこともあるさ。相談されるのは嬉しいこと。また次、大きな鑑定が来るさ。」
「そうそう!」
と夫婦二人でハリキリました。
あいきの広大地判定
あいきの相続鑑定
あいきの不動産鑑定 ご利用者の声
広大地の評価をしていただきました。
申告期限が迫っている中、迅速に対応していただき、大変助かりました。
評価についても、土田さんは常に自信を持った評価を出してくれるので、こちらとしても安心感があります。また困ったときはお力をお貸し下さい。
今後ともよろしくお願いします。
いつもお世話になっております。
税務についてわからない事がある等で何かと先生には教えていただき、感謝しております。
私は一か八かの鑑定は「適正価格を示す」事が職責の不動産鑑定士の仕事としてはあってはならない事だと考えています。ご依頼者が達成すべき真の目標は何か、しっかり理解した上で、適正価格を追求する。このような鑑定活動ができたらと考えています。
今後ともよろしくお願いします。