2014年01月17日
実務修習生のハマナです。
今日は阪神大震災から19年の日です。
皆さんそれぞれに、忘れがたい思い出があるのではないでしょうか。
今日は、それに関連して、
まちづくりと不動産鑑定について
書きたいと思います。
この時期は、震災関連の特集がテレビでも多いですが、
先日、長田区で鑑定評価をさせていただいてるところの近辺が、
映像で出てきました。
神鉄高速長田の北側の再開発の地域で
ドーンと大きい間口120メートル、奥行平均20メートルくらいの土地に、
1階2階が店舗、3階から9階がマンションになっているところです。
市街地再開発事業
というのは皆さんご存知だと思うのですが、
駅前の、昔ながらの小規模な住宅や店舗つき住宅などが密集している地域を、
低層の建物を潰して、高層の建物を建てて効率化するというものです。
ですのでこの店舗もこのマンションも
一部はもとからここに住み、商売をされていた方が
使われているということです。
さて、この場所で、店を出しているおっちゃんが、
商売が厳しい
というんですね。
今までの商店街のサイズと違って、街の規模が大きすぎる
と。
大阪の駅前と違う。
長田には長田のサイズの街があって、建物のサイズがある
と、そうおっしゃってました。
震災後のまちづくりのプランが、
もちろんその時は最善の案だったのですが、
結果的に地元の商売されている方にとって
ふさわしくなかったということです。
私はその話を聞いて、鑑定の役割について
考えさせられました。
不動産鑑定基準にも書いてあることですが、
不動産鑑定の役割の一つとして、
適正な価格を示すことによって、
適正な土地利用を導く。
というものがあります。
適正というのは
不動産鑑定士の主観でふさわしいという意味では無く、
そのときの経済状態・社会情勢にふさわしい
という意味です。
その価格を不動産鑑定士が
的確に見いだし、示す必要があります。
そして土地や建物の価格によっては、
行政の方針や法律に影響を与えるかもしれない!
デベロッパーが事業計画を変えるかもしれない!
ということを考えると
まちづくりに大いに関わっていることであり、
長田のおっちゃんの話は、関係のない話ではないということです。
私はまだ自分が鑑定をしているわけではないですが、
評価の業務の一部を担当しているわけですから、
まちづくりの一端を担っているんだ
という、責任感をを持って、
日々の業務に取り組んで行きたいと思います。
不動産鑑定とまちづくり
2015年5月15日