2015年04月07日
法務局、市役所等で不動産についての法的規制を調べた後は、いよいよ対象不動産を実際に現地調査致します。
現地調査で気を付ける点は手早く絶対に怪しまれないように行うことです。調べ残しがないように慎重に行うことも重要です。対象不動産の所在、土地の境界確認、面積、形状、道路幅、ライフライン、対象不動産の周辺環境等について調査します。
所有者や賃借人に気付かれないように鑑定を行い売買交渉や賃料交渉の資料にする場合等、色々な事情の基に鑑定依頼があります。鑑定ならぬ「探偵」のように秘密裏に現地調査を行う場合もしばしばです。このため私は番犬が嫌いです。人通りの多い商業地域での秘密調査の場合大変気を遣います。メジャー等使えませんので、歩測といった方法を使うこともあります。
悲しいかな私の一歩は約70cmですが、知らぬ顔で対象不動産の周りを通行しながら、おおよそ必要な計測を全て行うことができます。広い道路の幅員を計る場合にも歩測は生きます。信号が付いていない交通量の多い道路の場合には、歩測中に事故でお陀仏なんてことにならないよう注意が必要です。
写真撮影につきましては、秘密調査の関係からカメラのシャッター音は小さく、シャッター速度の速いものが好きです。またビルとか広大な土地を撮影することもあるのでカメラレンズも出来るだけ広角のものを使用しています。大通り等で車の通行量が途切れることが無い場合には、車が途切れる一瞬を捉え、被写体をカメラの中心に収めることができます。
遠方にある物件の場合、調べ漏れがあると再び行くのが困難な場合があります。このような場合には事前に机上でシュミレーションを充分行って、決して調べ漏れがないように注意します。
とにかく、鑑定ですので対象不動産の全容について観察することが必要です。建物の場合には可能な限り中を案内して頂き、修繕必要箇所等についてお話を伺います。建物診断等では天井裏や床下等まで調査をするのですが、通常の場合、不動産鑑定ではそこまで調査致しません。私共の場合は建築士の資格を持った有資格者も複数いますので、出来るだけ注意深く観察するようにしています。
不動産の全体を把握するため、周辺で高くから見下ろせる所があれば、立ち入り禁止の場所以外どこへでも行って対象不動産を見るようにしています。先日は対象地全体がバリケードで覆われていましたので、雨降る中、脚立を用意してきて、愛車パジェロの屋根の上に登って対象地を観察したこともありました。
現地調査は探偵のように
2015年5月15日