先日、土地区画整理事業地内の更地の相続案件で税理士さんからご相談をいただ
きました。
案件の内容はといいますと・・・
所在:某土地区画整理事業地内の更地
規模:約1000~2000㎡(従前地)
仮換地指定:なし
当初、広大地認定で評価額が下がる可能性があると思ったのですが、
土地の接道状況を考えると、旗竿地で分割しても問題なさそうで、
社内会議の結果、広大地認定の条件に該当しないかな・・・ということになりました。
ですが、このままでは諦めません、
ここからが勝負です
(というのは社長の言葉)。
鑑定評価だとどうなるか、まずは試算してみました。
本件の場合ですと、
対象地は従前地となりますが、従前地に建物を建築する際には土地区画整理法第76条の許可が必要となります。つまり、文面上、許可が出れば新築OKなのですが、役所担当課へのヒアリングによるとまず許可は出ないということでした。
建物の建築ができない、というのが鑑定評価のうえで大変重要な要素となります。
一般に建物が建てられない土地というのは、例えば市街化調整区域内の土地や、接道義務を果たしていない土地…が挙げられますが、こういった土地の価格は建築可能な土地に比較して相当安くなります。
但し、建築できない土地といっても、近い将来仮換地があてがわれ、換地処分までは仮換地を使用収益できるという性格を持っていますので、そのあたりも加味して従前地の評価を決めなくてはなりません。
結局、今回は取引事例比較法のみを採用し、建築可能な土地である取引事例との格差を考慮して評価額を算定することになりました。
但し、検証手段として、下記の2価格を算出しました。
①開発業者が宅地分譲を想定した場合の「開発法による価格」
②投資家が賃貸用建物を建設すると想定した場合の「土地残余法による価格」
3価格を並べて、その性格を考慮しつつも概ねバランスがとれており、ほっとしました。
結果的に評価額が路線価評価よりも 2割位下がることなりました。
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土地区画整理事業地域内の広大地評価
2015年7月24日