今日は神戸市のマンションの利回り水準についてお話したいと思います。 収益物件の評価をする上で、 最も頭を悩ますのが、 利回りをいくらに するのか・・・です。 東京で投資案件の仕事をしていた頃、 たまに地方案件の仕事が入ってくると、 そのエリアの利回り水準の感覚(利回り感、と言ってます)がなくて、ホント困っていたのを思い出します。 関西圏で探すと「大阪」「神戸」といったおおざっぱなくくりでしか情報がなかなか出てこず、 業者ヒアリングで補強したり・・といろいろと格闘していました。 今回は良い資料を見つけましたので皆様にご紹介したいと思います。 近畿レインズ「市況レポート」からです。 このデータからいくつかの特徴が見えてきました。 特徴その1 神戸市の利回り水準について ・市内の区域全体の利回り水準は東灘区の7.7%が最も低く、北区の14.6%が最も高くなっている。 9区平均で10.0%となっている。 【コメント】 利回り水準、思った以上に幅がありました。とてもひとくくりにできるような場所ではありませんね。 ちなみに9区平均値は私の利回り感とのずれは特にありませんでした。 但し、上記のデータは表面利回り、つまり不動産投資にかかる諸経費は考慮されていない数値であることに留意する必要がありますね。 特徴その2 経年リスクの捉え方 ・築年が古くなるにつれ、利回りも高くなる傾向にある(データ上は一部例外が見られる)。 ・また築10年までの物件と築11年~20年までの物件の平均利回りの差は1.3%であるのに対し、築11年~築20年までの物件と築21年~築30年までの物件の平均利回りの差は3.3%、築21~築30年までの物件と築31年超の物件の平均利回りの差は2.8%となっている。 【コメント】 建物が古くなれば、利回り=リスク、が大きくなるのは当然の話です。 データでみても、築20年を境として、築年が経過することに対するリスクを大きく捉える傾向が見受けられます。感覚的にも同じですね。因みに「楽待」掲載収益物件の平均築年数は25年位です。 特徴その3 物件規模の特性 ・利回りについて、単身者向けのワンルーム、1K~1LDKはそれぞれ9.9%と10.6%であるのに対し、ファミリー向けの2K~2LDK、3K~3LDKについては同7.8%、6.7%となっている。 【コメント】 これは、単身者向けマンションは賃料単価が高く(単価と総額の関係)、利回りが大きくなる傾向にありますが、ファミリー向けマンションは、家計が負担可能な家賃の上限との兼ね合いで㎡単価ベースの家賃は安くなる傾向にあり、その結果利回りが小さくなると思われます。 以上、お役にたてましたら幸いです。