(全国の概況)
平成30年1月以降、1年間の地価について、全国平均(全用途)で前年比1.2%(昨年0.7%)と4年連続の上昇、上昇基調を強めている。用途別では、住宅地が0.6%(作年0.3%)と2年連続上昇。雇用所得環境の改善が続く中低金利政策の継続、住宅取得支援策の下支え効果等による需要堅調による。商業地は2.8%(作年1.9%)と4年連続の上昇。企業業績改善が続く中主要都市でのオフィス需要の高まり、外国人観光客増加等による店舗・ホテル需要の継続等による。三大都市圏は住宅地・商業地とも上昇が継続し、上昇基調を強めている。地方圏の住宅地が今回平成4年以来27年ぶりに上昇に転じた。商業地も2年連続上昇、上昇基調を強めている。最高価格地点は東京銀座4丁目・山野楽器銀座本店5720万円/㎡は、バブル期以降の最高値更新を続けている。全国の商業地上昇率トップ10に大阪府4地点、京都府3地点がランクインした。訪日外国人客が多い大阪市の黒門市場の地点が上昇率44.2%と全国2位となった。梅田を中心とする大阪キタの上昇率がオフィス需要を背景に再び伸びるも、ミナミが2年連続でキタを上回る結果となった。住宅地について、本年度も全国上昇率上位を北海道倶知安町が独占した。 ニセコスキーリゾート目当て外国人による別荘地需要、リゾート関連住宅地需要、北海道新幹線建設工事の進展等の複合要因による。那覇市も観光地需要により追っている。他方で、全国的に高値感からかマンション需要に減速が見られ、懸念材料も生じている。また、人口減が進行する地方圏の下落が依然続いており、格差の拡大も進行している。
(兵庫県の概況)
兵庫県内では、住宅地が平均△0.2%(昨年△0.4%)と11年連続の下落、商業地は2.4%(1.7%)と3年連続で上昇した。 住宅地については、開設後間がないJR神戸線「摩耶」駅近くの「灘区灘北通8丁目」10.7%と「灘区灘南通3丁目」9.8%が、需要増から県内上昇率上位を占めた。最高価格地点は13年連続で「東灘区岡本2丁目」(566,000円/㎡)。商業地について、上昇率のトップは旧居留地エリアの神戸市中央区明石町28.2%、価格は「中央区三宮町1丁目」が6,120,000円/㎡で8年連続トップ。JR姫路駅前の「駅前町」は駅周辺開発進捗とインバウンド効果により25.0%の上昇率。地方圏商業地としては全国7位にランクインした。同駅前商業地は 2年連続でバブル末期以来の2桁上昇となった。前回基準地価では兵庫県の住宅地と工業地が下落率全国ワースト10傑に各5地点、6地点もランクインしてしまうという残念な結果であったが、今回の公示地価では商業地で「上郡町竹万」が△6.7%と下落率全国ワースト7位、工業地で「赤穂市木津」が△3.6%で5位となった。また、伊丹・宝塚等の阪神北地域が11年連続の下落、西・北播磨、但馬、丹波、淡路地域は20年以上に亘って下落が続き、県内2極化の様相も進行している(不動産鑑定士 土田剛司)。
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2019年兵庫県「公示地価」速報
2019年3月20日