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空き家問題と少子高齢化問題

我社のある元町界隈の飲食店は、安くておいしいお店がたくさんあります。今頑張っている外食店は、それぞれに競争力が高く、何よりこの価格でこの味なら合格という水準はクリアーしています。コスト面で相当の効率化も行われているようで、ホールスタッフの大半が外国人といったお店も少なからずです。

話かわりますが、今、雑誌社からの取材依頼があり、空き家問題について調べています。

平成25年の総務省統計によれば、日本の全住宅は約6000万戸、そのうち約800万戸が空き家です(空き家率約13.5%)。野村総合研究所の予測では、あと約15年後には空き家率が約30%に昇り、住宅3件中1件が空き家となるとのことです。常識から考えると、本当かなぁと疑いたくなりますが、日本で急伸する少子高齢化を考えると本当に実現するかもしれません。

国土交通省はじめ全国の地方公共団体も真剣に空き家問題に取り組んでいます。国土交通省は中古住宅市場の各種活性化策、地方公共団体は「空き家対策特別措置法」の施行、各種補助金、空き家バンク他、各地方の状況に応じた空き家の利活用策を講じています。自分でも空き家の利活用について色々調べてみましたが、確かにこの手があったかという様な成功事例もありますが、それを一般化することは困難と思いました。

税制面では、「空き家の譲渡所得の3000万円特別控除」が平成31年中の譲渡に認められています。不動産業界、不動産鑑定士業界も専門家としての立場から、空き家の利活用に対して協力しています。特に不動産業界では、協会から、実際に空き家の利活用に頭を悩ましている相談者を、会員に対して斡旋する制度があります。当社にも年に2~3件程度、協会から紹介がありますが、いずれ劣らぬ僻地の難しい案件ばかりで、正直業務としては採算に乗らないだろうという案件ばかりです。

空き家問題が言われだして既に5年以上が経過すると思いますが、有効な打開策は顕れていません。日常の業務に埋没していると気にはなりませんが、真剣に考えると、大変な難問題だと思います。

前述の外国人労働者増加にうかがわれるように、日本人労働者の不足が深刻化し、現在の企業倒産は労働者不足が原因ということも多いようです。空き家問題も、人手不足も基をただせば日本で急激に進む少子高齢化です。日本の前途に大きく影をおとす、少子高齢化問題。直接的な解決策は子どもが増えることだと思います。「個人の尊重」「両性の本質的平等」は憲法の最重要理念であり、個人の多様な価値観を尊重すべきであることは理解しています。外国人労働者を増やすことも有効な方策だと思います。しかし、今や色褪せてしまった骨董品的な価値観ですが、「男女が結婚して社会の基盤となる健全な家庭を育み、立派な子孫を残すための政策」も堂々と議論すべきテーマであり、このような考えに基づく骨太な政策も打ち出して欲しいと切に願っています。

不動産鑑定士土田剛司

 


 

 

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