2011年07月27日
この度日本不動産鑑定協会が「不動産鑑定業将来ビジョン研究会報告書」を発表した。
不動産鑑定士制度が昭和38年に誕生して既に半世紀が経過した。
国内インフラの整備とともに不動産鑑定士業も成長してきたが、
近年、公共事業の縮小、社会的ニーズの多様化複雑化、投資不動産市場のグローバル化等
によって、業態の変化を余儀なくされている。
そこで今後の業界の将来像を模索するべく研究会が立ち上げられ、研究成果として上記報告書が
発表された。
ここで示される鑑定業界の将来ビジョンは
「社会に根ざした持続的な鑑定評価制度の確立」である。
そしてそのための施策として①従来の鑑定書発行という単一型ビジネスモデルから多様型ビジネスモデルへの転換、②グローバル化への対応、③官需から民需への注力、を打ち出した。
具体的には①③に対応したビジネスモデルとして評価(Appraisal)に加えて分析(Analysis)、助言・指導(Advisory)を開拓するとした。
また②に対応して、国土交通省と不動産鑑定士協会が協力し、海外に対して、日本の不動産鑑定士制度の普及と不動産鑑定士の活用機会の拡大を進めるとした。
今回の研究会報告書には次のような「私の提案」も採り入れられることとなった。
我が国では中古住宅の取引で専門家による適正価格の査定が行われる機会がないが
アメリカ等では評価人による適正価格の査定が必ず行われる。
日本でも消費者が安心して中古住宅の取引が行うことができるように
不動産鑑定士による中古住宅価格の査定を低廉な価格によって行うべきである。
今後の日本社会がフロー型からストック型に移行するという背景を考えても
中古住宅市場の発展のためにこの仕組みを整えることが望ましいと考える。
実現を期待している。
不動産鑑定業将来ビジョン研究会報告書
— 不動産鑑定, 不動産鑑定(その他) —
不動産鑑定士の将来
2015年5月14日