2014年03月01日
決算期になると、上場企業・大企業が企業不動産について時価鑑定を行います。様々な種類の大型不動産について、大量に、しかも短期間に評価を行うことになりますので、弊社でも社内あげてフル回転となります。
この時価鑑定について最近大変ありがたいなあと思っていることがあります。それは、同じ物件について毎年継続的に評価することもあり、居住用・事務所・商業施設・遊技場・ホテル・開発素地等様々な種類の物件について、立地する地域動向、対象不動産の物理的状況、収支状況、テナントの状況、競合物件、市場動向等に対して繰り返し観察分析できるため、分析が自ずと多角的精緻になっていくことと、収益物件について時系列的な観察視野が自ずと開けることです。これは専門家として大変嬉しいことです。そしてそれと同時に、物件に対して愛着も深まっていくようです。これは単発の鑑定ではなかなか味わうことが出来ない継続評価の醍醐味ではないかと思います。
さて、本年は、投資家の積極姿勢が続いていることから、収益価格は昨年に比較し上昇基調。建物建築コストの上昇による再調達原価の上昇から、減価償却後の積算価格についても若干上がりました。従いまして、昨年に比較し、全体として収益物件の価格が上昇したように思います。
以上の他に一つだけ私個人の問題がありまして、この時期、花粉症とPM2.5による気管支炎、持病の頭痛、全身の凝り、それにこの時価鑑定が重なることにより、全物件の鑑定をようやくやり終える頃には、評価額の一覧表を、独り言をひとしきりブツブツ言いながら嬉しそうに見て笑う、病人が生まれることでした。
企業不動産 時価鑑定
2015年5月15日