はじめまして、不動産鑑定士のKと申します。
不動産鑑定士の業務の一つに、証券化対象不動産の鑑定評価(以下、証券化評価)というものがあります。J-REITや私募ファンドが不動産を取得あるいは保有、売却といった際に鑑定士がその時価を算定するものです。
一般の方々には不動産の鑑定評価自体、そもそもなじみがあるとは言えない状況のなか(残念です・・・)、その業務の一つに過ぎない「証券化評価」のプロセスが一体どういったものであるのか、ご存じの方は相当珍しいと思います。
早いもので、私が鑑定業界に入って10数年経ちました。振り返ればその時代によって鑑定士の仕事の種類も様々だったように思います。
そのような中、90年代後半以降は不動産証券化手法が認知されたことに伴い「証券化評価」が増え、現在に至っております。
「証券化評価」は不動産の鑑定評価業務の中でも、いわゆる花形職種と言えると思います。物件の評価額は億を超えることがほとんど、感覚的には小さいものでも10数億円、数十億から時には100億円を超えるものも結構あります。不動産鑑定の専門家として見た場合はごくありふれた水準なのですが、ごく普通の生活者である私個人としての目線で見れば当然のことながら相当現実離れした金額です。場所も国内有数の一等地にあることがほとんどです。
そして一番忘れてはならないのが、利害関係者が依頼者だけでなく広範な投資家にも渡ること、したがってその社会的責任は大きく、相当な緊張感、プレッシャーの中での業務になるということです。絶対にミスは許されない世界です。その分といっては何ですが(笑)、一般の不動産評価と比較すると鑑定評価報酬は高い傾向にあります。
本ブログでは、このような「証券化評価」の概略について、いくつかテーマを分けてお伝えさせていただければと思っています。
どうぞよろしくお願いします。
不動産鑑定、証券化評価のご紹介
2015年6月11日